現在イムズで開催中の、写真家ホンマタカシ氏の九州初の個展に行ってきました。
展示室に入ると、箱状のガランとした空間の壁に大きなロール印刷の花や木や雪景色といった自然や生命を感じさせる瑞々しい写真が展示されています。そのような写真でできた森の中に、座ったり、上ったり、寝そべったりしないと覗けない大きな望遠鏡のような木の箱が5、6個でーんと置いてあって、鑑賞者は、必然的に体の位置や目線をあれこれ変えながら写真を見て行くことになる、そんな展示です。
これはとても面白いと思いました。
まるで自分が森の探検隊になったみたいなワクワクした気持ちになるのです。それは今までの写真の見方には無かった驚き。少なくとも僕の経験上は。
能動的な写真鑑賞とでも言うのでしょうか。ある意味アンチ映像的とも言えるかもしれません。というのも、鑑賞者を固定して画面を動かす「映像」とは真逆の手法をとっています。画面は静止した状態であるけれども、鑑賞者が動く、という手法。でも僕は、後者の手法の方が実はよりリアルでライブ感あふれる手法ではないかと思ったのです。ゲームで言うところの、PlayStation3とWiiの違いのような。鑑賞者が汗をかき、体を動かすことで、感動がよりリアルになっているような気がします。
一見地味な展示ですが(すみません)、実はとても面白いことをやっている展示であると僕は感じました。感じ方は人それぞれ、写真は特にそうですが、皆さんはみなさんなりに何か発見や感動があれば素敵なんじゃないかなと思います。写真やアートに興味のある方には是非おすすめです。7/18までやっているそうですよ。
イベント情報
http://www.ims.co.jp/event/detail.php?eid=178PR