ようやく読み終えました。村上春樹の最新長編『1Q84』
予期せぬきっかけから先週末にBOOK3を手に入れることになり(駅の本屋で購入)、その日より通勤時間と昼休みを利用して、3日間かけて読破。
BOOK3を読んで、まずは最終章としての役割の大きさを感じました。BOOK1、2のレビューを、丁度一年前に(偶然にもほぼ一年前)すでにここに書いているのですが、その一年後に読んだこのBOOK3によって、自分の中でこの作品の評価が確実にアップしたことを実感しています(一年後でありながら、すんなり読めたことも良さの一つかもしれません)。それは最終章にありがちな、ストーリーが収束に向かい、出口の解らなかった無数の糸が少しづつ紡がれていくことの期待と達成感だけでなく、実に巧みに物語を展開させる「構成」があげられるでしょう。牛河の展開構成上の台頭により(それにより天吾と青豆の2人の視点による展開から、3人の視点による展開へと、主たる視点が増えた)、より多角的で、より複雑に、より緊張感を持ってストーリーが展開していきます。
前回のレビューでは読む人を選ぶ、と書きました。しかし、このBOOK3によって、本作がより読みやすさという点で『素敵』な物語へと昇華していることは確かなように思います。
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