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講演会:三分一博志「地球のディテール」



もう随分前だが、昨年の12月18日に九州大学で広島の建築家、三分一博志氏の講演会があった。犬島アートプロジェクト「精錬所」の開館にともない、宣伝を兼ねて?開かれたものであるが(多分)、そのときの氏の話を思い出しながら、氏の手法や魅力、有効性などを少し考えてみようと思う。不親切ながら三分一博志氏が誰なのかは、ここでは省略したい。近年注目度の高い建築家であるとだけ述べておきます。僕自身、氏の建築を未だ体験したことがないゆえ、空間の善し悪しについては、残念ながらここで語ることはできません。

氏の発言でよく耳にするのが「地球のディテール」である。建築は、今のところ地球と無縁に建築されることは有り得ない。簡単に言うと、地球に建てる以上は、地球のディテール(地球の文脈とも言える)を読み取り、それと波長を合わせたような建築であるべきだという考え方である。また、そうしてできる建築は強い生命力や魅力、および必要充分な機能性を兼ね備えたものになるのだという。地中には地中のディテールが、大地には大地のディテールがあって、建築家はそれらのディテールを感じ取った結果として、「デザイン」とすべきだと。これはつまり、単に見かけのデザインを完全に否定していると言え、極端に言えば、建築デザインは地球との有機的なつながりの中でのみ成立するのだというように聞こえなくもなかった。大地から生えてくるような、建築というイメージ。

磯崎新氏が、建築の解体(1975著)の中でデザインの匿名性について言及していたように、現代デザインは確かに匿名性に支配されつつある(その端的な代表が無印良品ではないだろうか)。言い換えると、それは現代が作家の直情的なデザインや、表現的なデザインが「悪し」とされる風潮にあることの一つの表れだと言える。これは「ミニマル」が(この場合悪いことに)かなり偏って崇拝されているからとも言える。確かに直情的な表現はミニマルではないし、というかミニマルといった天秤では評価できないような次元のものである。ミニマルをモダンデザインのベースとするならば、シュバルの理想宮なんて完全にその対極にある。では、シュバルを「悪し」と本当に言えるだろうか。

えーと、脱線しそうなのでシュバルの話は置いといて、では「地球のディテール」はどうであろうか。三分一博氏の唱えるデザインは、あくまで地球のディテールを読み取った結果でしかない。そういう意味では必然性を備え、時にエコロジーであり、プラン的にミニマルさえしていけば、建築的にもミニマルだと言えるものになりそうである。また、デザインアプローチを「地球」から出発することで、同時に素材感漂う情感を持ったような建築とすることにも成功しているように思う。それは確かに一つの説得力を持つ。

今回の講演会を通し、個人的にポイントになると感じたのは、ハイテクをどう解釈し扱うのかということと、都市ではどのようにデザインするのか、ということである。1点目、氏は自分の直感的に理解できる範囲でしかハイテクは用いないと言う。ハイテクによって変換され続けたエネルギーは、原型が不明瞭でエネルギー的にもロスを生むので用いないと。これに関してはわかるような、でもわからない話であった。個人的にはハイテクをどれだけ違和感なく融合させるか、というポジティブな議論をした方が有益だと思う。もちろんテクノロジーに支配される危うさもあるし、難しいとは思うけれど。2点目、都市で「地球のディテール」は成立するのか。すでに地球とは隔絶されたようにも見える人工物の集合体の中で、どのようにして地球のディテールを読むのか。以上の2点を特に注目しながら、今後の活動に注目していきたいと思う。

よーし、犬島にもいつか行くぞー。
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Comment

無題

  • NAOK
  • 2009-01-13 08:51
  • edit
宿を準備してお待ちしてますぅ。
ちなみに予約がいるのでご注意をー。

お返事

  • アリヨシコウスケ
  • 2009-01-14 22:01
  • edit
そんときは早めに連絡するよ!
今度行くときは、岡山もゆっくり見たいので案内してね。
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