いわゆる若手建築家、と呼ばれる30代や40代前半の建築家の中でも、僕はこの藤本壮介という人にはちょっと別格のオーラを感じています。一般的に建築家は、自身の建築哲学や建築理論、そしてその実践としての作品づくりとの整合性や実現性などによって評価されます。しかし、『建築する』という行為は、どのようなカタチであれ最終的には環境や状況をつくる作業にほかなりません。つまり、それらの哲学や実践によってつくられる環境が、我々にどのように働きかけ、感動や気持ちよさを創出し得るか、という点に収束されると僕は思います。その意味で、その収束点をぶれることなく見つめ、真正面から突き進む藤本氏のそのスタンスには共感するものがあります。
これから建築するなら、とりあえず必読の一冊ではないでしょうか。
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