あまりにさらっと読めるので、一歩間違うと何も得ないままになってしまいそうな一冊です。読み終えてしばらくした後、『日常の再解釈』『社会的多様性』というキーワードが浮かんできました。日常の再解釈とは、日常の中にまだ潜む、新しくもより素晴らしい世界へとつながる可能性を、再解釈という手法によって探求していこうという姿勢のこと。社会的多様性とは、その再解釈があくまで日常(社会)を大きく逸脱するものではなく、理知的なサルベージと分析によって、社会との連続性を保ちながらもオーバードライブによって多様性を獲得していこうという視点のこと。また、本書には『振る舞い』と『響き』という重要なキーワードがありますが、振る舞いとは、そのロジックの根底となる設計条件であり、響きとは、アトリエ・ワンにとっての理想的な建築の状態をあらわす言葉、を指すのかな。どうでしょう。
実はアトリエ・ワン初心者でして、間違ったこと言っているかもしれませんが、自分なりにそのように理解しました。理解の正確さだけが本の正しい読み方ではないと思いますので、今はそれで良いかなと思いますが、今度誰か教えてください。
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