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1973年のピンボール



デビュー作「風の歌を聴け」に続く、第二部。「僕」と「鼠」それぞれの人生が、まるで錯綜するように交互に構成されている。根底にあるのは、生に対する苦悩、不安、恐怖、そして諦めである。といっても絶望しているわけではなく、ごくごく自然な、誰しもが一度はぶつかったであろう、あの負のスパイラルが延々物語化されている。

ここでのピンボールとは、人生を象徴するもの、として僕は捉えた。延々と同じことを繰り返し、その繰り返し自体に何の意味も無く、何も得るものもない。そこにあるのは、限りなく無駄な時間の浪費と、金の浪費と、ハイスコアのレコードという、泡のような僅かな達成感と誇り。泡はすぐに消えてなくなる。人生の浪費とは、冗長な生に対する、抵抗であり、戸惑いであるのかもしれない。

生を考えることは死を考えることに等しい。とは、僕の考え。著者は、きっと死を見つめていたに違いない。それは自殺という意味ではなく、死を見つめることで生を見つめていたのだ。真意は知らないが、その永遠に答えの出ない問いかけに答えようとして生まれた、これはそんな文章のように思えた。

そして、なぜか、そこには懐かしい記憶の空間が広がっていた。
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