今年の初桜は、3月14日に祇園のとある寺の境内で見た一輪の桜だった。淡いピンクの、生まれたてのように瑞々しい可憐な花だったのを覚えている。
仕事に追われる中、ふと気付くと桜はもう満開。やっぱり夜より昼に見る桜の方が好きだな。太陽の下の桜は、光を反射してとても綺麗。
桜の花の寿命はとても短い。あっと言う間に花はピンク色を増し、そしてあるときを堺に散っていく。こんな小さな世界に、確かな時間の流れを感じてみたり。この世の縮図を見た気がする。
ピンクは緑に混じり、じっと見ていると、緑の上にピンクがあるのか、はたまたピンクの上に緑が降り積もっているのか時々わからなくなる。不思議な光景。
眼前にあらわれた桜の道。しかし、この道が一時だけのものであるように、ぼくらはぼくらの一瞬を歩きつづけるのみ。今、この美しい光景を確かに焼き付けながら。
桜を見ていると、ちょっとセンチになってしまいます。
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